第5回:認知症には、どんな症状があるのか?
●記憶障害
●見当識(けんとうしき)障害※
まず時間や季節感の感覚が薄れ、その後に迷子になったり遠くに歩いて行こうとしたりするようになります。さらに病気が進行すると、自分の年齢や家族などの生死に関する記憶がなくなります。
※見当識(けんとうしき)・・・現在の年月や時刻、自分がどこにいるかなど基本的な状況を把握すること
●理解・判断力の障害
思考スピードが低下して、二つ以上のことが重なると話している相手が誰かわからなくなるなど考え分けることができなくなるほか、些細な変化やいつもと違うできごとで混乱を来す、などの症状が起こりやすくなります。例えば、倹約を心がけながら、必要のない高額商品を購入したり、自動販売機や駅の自動改札・銀行ATMなどの前でまごついたりしてしまうようになります。
●実行機能障害
買い物で同じものを購入してしまう、料理を並行して進められないなど、自分で計画を立てられない・予想外の変化にも柔軟に対応できないなど、物事をスムーズに進められなくなります。
●感情表現の変化
その場の状況がうまく認識できなくなるため、周りの人が予測しない、思いがけない感情の反応を示すようになります。
行動・心理症状
本人がもともと持っている性格や環境、人間関係など様々な要因がからみ合って起こる、うつ状態や妄想といった心理面・行動面の症状です。
(症状例)
•(能力の低下を自覚して)元気がなくなり引っ込み思案に
•(今まで出来たことが上手く出来なくなって)自信を失い、すべてが面倒に
•(自分のしまい忘れから)他人へのもの盗られ妄想
•(嫁が家の財産を狙っているといった)オーバーな訴え・行動がちぐはぐになって徘徊
新しいことを記憶できず、ついさっき聞いたことさえ思い出せなくなります。さらに、病気が進行すれば、以前覚えていたはずの記憶も失われていきます。